離職率が高くなっている飲食業界をチェック

飲食業界の離職率

飲食業界で働く人たちには、飲食の仕事が好きで就職したという人が多いです。料理を作ることが好き、人と接するのが好き、人を喜ばせることが好き、あるいは利用したレストランのサービスに感動した、といったことがきっかけで、飲食業を選ぶ人が多いのです。
ところが、厚生労働省の調査によると、「宿泊業、飲食サービス業」の離職率が5割と、もっとも高くなっています。このことから、飲食業界は離職率が高い業界と言えます。それでは、その理由にはどんなことがあるのでしょうか。チェックしてみましょう。

勤務時間が長く、休日が少ない

勤務体制として、シフト制を組んでいるところが多い飲食業界。営業時間が、朝早くから深夜までのところや24時間営業のお店があるためです。実際の飲食業界では、定時勤務や8時間勤務ができているところは少なく、残業が当たり前となっているところも多くあります。特に来店客が集中するランチタイムやディナータイムには、シフトの人数では人手が足りなくなることもあるのです。そうなると、勤務が終わるはずが、時間を延長しなければならない状況もでてきます。結果的に、残業になるのです。
飲食は、アルバイトの多い業界です。そのため、アルバイトの急な休みが入って出勤しなければならないこともあります。それによって、出勤日が増加します。当然、勤務時間が長くなることにもつながります。また、土日祝日など多くの人が休みの時は、外食する人も多くなります。稼ぎ時でもあるため、出勤日となることが多いです。週休2日が実現できているところは、ごく一部でしょう。
他の業界で働く友人と休みを合わせることが、なかなか難しいのが実状です。リフレッシュする機会を失いやすく、負担になることもあります。

体力や精神力が求められる業界

飲食業界は、じっと座っているよりも、体を動かしている時間が多い仕事です。基本的に、立ち仕事になるでしょう。このような仕事内容に加え、勤務時間が長く、休日が少なくなりがちです。そこで体調管理が重要になります。そして、立場によってはお店の売り上げ管理や人事の管理などの仕事をすることにもなります。通常の業務と並行して管理業務を行うには、精神力も必要になってきます。
若いころは、多少の無理ができるかもしれません。しかし、年齢とともに体調不良になることや精神的につらくなることも多くなりがちです。そのため、体力や精神力の限界から、体調を崩して離職する人も多いのです。

将来性が見込めない

将来性が望めないことも、理由の1つとしてあげられます。将来的にキャリアアップやスキルアップの望める環境であれば、続けて頑張ろうという気持ちにもなるかもしれません。しかし、それが見込めなくなって、辞めることを選択する場合があります。例えば、飲食業の接客はアルバイトでもできる仕事です。マニュアル化された仕事内容を覚えて、日々繰り返します。この繰り返しによって、身に付ければ良いのです。とにかく同じ仕事を繰り返すことになりますから、新しいことに挑戦することは、見込めなくなってきます。
転職を考えた時には、飲食業界での経験は他の業界ではなかなか活かしにくいでしょう。そのため、将来性が見込めないと思った時は、今後のことを考えて早いうちに転職するという人も多いようです。